「5mm 方眼」と書かれた紙が、本当に 5mm かどうか。これは見ただけでは分かりません。
実際、無料で配られている方眼紙の PDF や画像には、測ると 4.8mm だったり 5.2mm だったりするものが混ざっています。作った人が不誠実だったわけではなく、画面のための単位で作ってしまうと、こうなりやすいのです。
このページは、当サイトがその落とし穴をどう避けているかの説明です。
内部の単位はミリメートルだけ
画面はピクセルで、印刷はミリメートルで測ります。この二つを行き来するときに誤差が生まれます。
当サイトの作図部分は、内部の座標をすべてミリメートルで持っています。線の位置も、マスの大きさも、余白も、すべてミリのまま計算します。ピクセルは計算のどこにも出てきません。
pt に直す箇所がひとつだけあります。PDF を作るとき、文字の大きさの指定だけは pt に換算します。PDF に文字サイズを渡す仕組みが pt しか受け取らないためで、25.4 分の 72 を一度だけ掛けます。これは文字の大きさの話で、線やマスの位置には関わりません。位置は PDF の中でもミリのままです。
出力する SVG は、幅と高さにミリ単位を付けたうえで、座標系の数値をそのままミリに対応させています。A4 なら width="210mm"、そして座標系は 0 0 210 297。座標の 1 が、紙の上の 1mm です。変換が要らないので、変換で狂うこともありません。
マスの位置は掛け算で求める
40 行の罫線を引くとき、素直に書けば「前の行の位置に間隔を足す」を 40 回繰り返す形になります。これが誤差の温床です。
小数の足し算には、一回ごとにごくわずかな丸めが混ざります。一回では見えませんが、40 回積み上がると紙の上で見える差になります。しかも下に行くほどずれが大きくなるので、いちばん目立つ最終行がいちばん狂います。
当サイトは、各行の位置を 起点 + 行番号 × 間隔 の掛け算で直接求めています。何行目であっても、計算は一回きりです。1 行目の誤差と 40 行目の誤差は同じ大きさで、積み上がりません。
B 系列は JIS で扱う
B5 には JIS と ISO の二種類があり、寸法が違います。JIS B5 が 182×257mm、ISO B5 が 176×250mm です。
日本の学校で使うノートは JIS のほうです。ここを取り違えると、マスの大きさが正しくても紙の大きさが違うため、結果として全部ずれます。しかもどちらも「B5」と呼ばれるので、気づきにくい種類の間違いです。
当サイトの B5 はすべて JIS です。詳しくは B5 と A4 の違いに書いてあります。
名前欄を付けてもマスは動かない
これは寸法の話であると同時に、規格の話でもあります。
当サイトでは、内容を並べられる範囲を用紙の大きさと余白だけから決めています。名前欄も日付欄もフッターも、その余白の中に描きます。マスの側は動きません。
もし名前欄を付けたぶんだけマスが縮む作りにすると、「104 字詰め」は決まった規格ではなくなります。同じ 104 字を選んだ二人が、設定次第で違う大きさのマスを受け取ることになるからです。それでは規格を選ぶ意味がありません。
名前欄の有無にかかわらず、同じ規格を選んだ人は同じ大きさのマスを受け取ります。
余白は 15mm
家庭用プリンターには、物理的にインクを乗せられない縁が 3〜5mm ほどあります。当サイトの用紙は上下左右に 15mm の余白を取っているので、それより十分に広く、原寸で印刷しても外枠が切れません。
これは見た目の都合ではなく、次の項目のための備えです。
最後の関門は印刷ダイアログ
ここまでの工夫は、印刷ダイアログの既定設定ひとつで台無しになります。
ブラウザも PDF ソフトも、既定では「用紙に合わせて縮小する」ようになっています。この設定のまま印刷すると、6mm 罫はおよそ 5.7mm に縮みます。データが正しくても、紙に出た時点で狂うわけです。
余白を広く取ってあるのは、この縮小が不要だと言い切れるようにするためです。プリンターが刷れない範囲には、そもそも何も描いていません。ですから拡大縮小は 100%(実際のサイズ)にしてください。
設定方法は印刷ダイアログで原寸に固定するにソフト別にまとめました。当サイトを使ううえで、いちばん効く一手です。
自分で確かめる
ここまでの説明を信じる必要はありません。測れば分かります。
5mm 方眼紙を 1 枚刷って、定規を当ててみてください。20 マス分が 100mm ちょうど であれば、この記事に書いたことは紙の上で成り立っています。
なぜ 1 マスではなく 20 マス分を測るのか、数ミリ足りなかったときにどこを直すのかは、印刷ダイアログで原寸に固定するに書きました。